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複雑な製造業の販売管理フローをシンプルに、標準機能でパッケージソフトを利用

大阪にある株式会社シャロン様は、化粧品小物であるスポンジパフやボディパフ等の製造、販売を行われています。

シャロン様のオリジナル商品もありますが、メインは大手化粧品メーカーへのスポンジパフのOEM提供だそうです。

創業は昭和26年。シャロン様の商品開発の第一歩は、一般消費者向けのマスクの製造から始まりました。マスクから化粧品小物への転換のきっかけについて、将来のマーケットの大きさを見越しての決断だった、と代表取締役社長 松原様は語ります。

スポンジパフ開発時に大手メーカーとアライアンスを組めたことも追い風となり、化粧品ビジネスは順調に軌道に乗りました。

そして、シーズンごとにマイナーチェンジし、ファンデーションに必ず付属されるスポンジパフの需要は途切れることがなく、当時の経営判断が現在のシャロン様の成功につながっています。

販売管理システムの導入

無駄な在庫を持たず、効率的に商品を製造、販売するのが製造業の肝となります。
そのために、シャロン様にとって仕入、在庫、販売管理のシステム構築は不可欠なものでした。シャロン様では、20数年前より半オーダーメイドシステムを導入し、販売管理等を行ってこられました。

しかし、ライフサイクルの短いPCやOSのバージョンアップ、メンテナンスのたびにかかるシステム改修のコストを削減するために、パッケージソフトへの入れ替えをされ、現在に至ります。

BIG販売管理Neo

メーカーであるシャロン様では、部品の仕入管理、仕掛管理、売掛管理が必要となりますが、その複雑な業務をパッケージソフトであるBIG販売管理Neoで管理されています。

卸売業向けに開発されたBIG販売管理Neoでは、仕掛品の管理ができないため、仕入管理と売掛管理を別データベースで管理し、在庫管理は仕入データベースの一部として管理されています。

仕入データベースでは、原材料やパッケージ、ラベル等の部品を管理しています。
商品はそれらの部品を組み合わせ、BIG販売管理Neoの機能である商品セットマスタを利用してそれぞれのOEMメーカーやオリジナル商品として完成します。

「当社は、なるべく在庫を持たないというポリシーのもとで製造業務を行っています。
OEMでご提供する場合はリードタイムに基づいて製造し、一般流通向けの商品は隣接された工場で受注ごとに製造して即出荷というのが基本です。」と管理部 課長 阿保様は語ります。

従って複雑な在庫管理は必要なく、パッケージソフトでも十分対応できているのだそうです。

一日に数十万個の受注も、一件あたりのロット数が大量で伝票枚数はそれほど多くないため、売上、仕入、それぞれ1台のクライアントで対応できているというのは驚きです。

導入クライアントは全部で3台。残りの1台は、社長室で売上状況などの集計資料をチェックするためのクライアントとして活用されているそうです。

最新バージョンであるBIG販売管理Neoに入れ替えて数か月。新機能の中で、一番興味を示していただいたのが商品マスタでのイメージ写真の管理でした。

「OEM商品はメーカーごとにスポンジの形状やパッケージの種類、シール一つをとっても違うので、気を付けなければいけないんです。通販システム向けの機能とのことですが、いいアイディアですね。当社でも使えるかもしれません。」と阿保様は語ります。

カスタマイズなしでパッケージを利用

導入当時、BIG販売管理のカスタマイズは1点のみ。それは、お得意先ごとに指定された納品書のフォーマットに合わせる帳票のカスタマイズでした。
しかし、最新バージョンであるBIG販売管理Neoでは、帳票カスタマイズ機能が標準搭載されているため、パッケージソフトをそのままご利用いただいていることになります。

複雑に思えるメーカーの業務フローをパッケージソフトで応用されているシャロン様ですが、業務自体を効率的に、シンプルに遂行できるようきちんと整理されているからこそ可能なのでしょう。また、正確な棚卸や生産部門とのスムーズな情報共有など、ヒューマンスキルとシステムのバランスが取れているのも大きなポイントのようです。

操作性の同じBIG給与計算Pro・BIG財務会計Pro

販売管理システムだけでなく、財務会計と給与計算システムもBIGシリーズを使っていただいています。シャロン様の従業員数は30名弱、製造部門も含め、給与体系は正社員(2体系)とパート社員の全3体系だそうです。1名の担当者が毎月の勤怠管理、給与計算から社会保険算定、年末調整まですべて自社で行われています。

「給与計算に関してはさまざまな料率変更や税制改正などがありますが、イリイさんから事前に連絡をいただいているので助かっています。また、他社に比べてサポートセンターに電話がつながりやすいので、困ったときには電話で問い合わせができますので、ストレスなく使えていると思います。」と阿保様は語ります。

MS-DOS版からずっとBIGシリーズを使い続けていただいているシャロン様に、追加してほしい機能や改善要望等をお伺いしてみました。

「実際にソフトを使っているときに、ふと気づく細かい点はあるのですが・・・。
これ、といった要望はすぐに出てきません。すぐに出てこないということは支障なく使えている、ということではないのでしょうか。」(阿保様)

今後の展望

「当社の今年のスローガンは、“ブランドの確立”です。OEM商品の提供だけでなく、メーカーとしての“シャロン”というスタンスを確立したいという思いからです。

そのために、品質面はもちろん設備面も含めて充実を図り、どんな物づくりにもチャレンジできる体制を整えていきたいと考えています。」
(代表取締役社長 松原様)

直接肌に触れる“化粧品”という商品の性質上、衛生面に配慮したクリーンルームを導入されている同社。

今後も厳しい品質管理のもと、さらなる設備の充実と研究開発にも力を入れられるとのことです。

また、ブランディングの一環として、オリジナル商品の直販(通販)もご検討中で、大手ショッピングモールへの出店が予定されているそうです。

「通販を大々的に始めよう、ということではないんです。ショッピングサイトは、どうしても発生してしまう、良品であっても在庫になってしまったものを安く効率的にお客様に提供できるいわば支店のひとつとして捉えています。少しでも、“シャロン”ブランドがPRできればそれでいいと思っています。」と松原社長は語ります。

“絶えず新しいものへの探究心と物づくりへのプライドと責任を持ち続ける。 ”
シャロン様のビジョンに掲げられた言葉です。

通信販売という新たな販売チャネルやさまざまな物づくりを追求する、シャロン様のチャレンジは続きます。