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新聞販売店の電話受付にBIG顧客管理Neo CTIを採用

広大なアルプス山脈のふもと、国宝松本城を中心に栄えた城下町は、今も歴史を感じさせる街並みを残します。

松本城からほど近い場所に事務所を構える信濃毎日新聞 松本専売所様の社屋も、大正ロマンを感じさせる古い蔵造り街の景観に馴染んでいます。

信濃毎日新聞 松本専売所様は、本店の他に県内に14拠点を持つ県内最大級の新聞販売店。

信濃毎日新聞、毎日新聞、日経新聞などを取り扱い、特に信濃毎日新聞は購読世帯の7~8割で読まれるという高普及率の中、約33,000部を松本エリアに配達します。

沿革を遡ると、創業は大正3年。町の新聞店から歴史は始まり、景気に左右されることなく順調に成長されてきました。

また、同社では新聞配達の他にも、折込チラシや不動産情報、松本ライブカメラ、タウン誌「M’s Life(エムズライフ)」の発行、面白いところでは契約者様への絵本の無料貸し出しや映画鑑賞会の開催、フリーマーケットの主催など「地域の中で、地域と共に。」をモットーとし、言葉通り、地域密着型のビジネスを展開されています。

「そういった地域のイベントは、社員が企画してプロジェクトを組み、休みの日に社員が集まってやるんですよ」と、総務部 部長の高橋様。(以下、高橋部長)

信濃毎日新聞 松本専売所様は新聞の契約者様だけでなく、地域の住民の皆様にとってもなくてはならない存在になっているようです。

情報管理とマーケティング

信濃毎日新聞 松本専売所様の成長の陰には、さまざまな事業戦略はもちろんのこと、読者であるお客様を大切にする顧客第一主義とその基となる顧客情報をしっかり管理されていたこと、更に、情報を活用した独自のマーケティングなどが考えられます。

三代目となる現社長は、以前よりシステム化に積極的で、他社がまだアナログで契約者の情報を管理していた時代から、業界に先駆けてシステムを構築されたそうです。

独自で住宅地図に読者の情報(契約紙、契約期間、請求情報等)を埋め込んで管理できるGIS(Geographic Information System)システムをオフコンで構築し、現在もご利用されています。

「専売の新聞配達店は配達エリアが厳密に決められていて、他の販売店のエリアを侵すことはタブーとされているんです。そこで、我々は営業活動をする上で、独自で管理している地図上にある情報を見ながら回っているんです。」と高橋部長。

営業活動の他に、読者の分布を地図で把握するエリアマーケティングも実践されており、他社とは一線を引く、独自の戦略がトップシェアにつながったのでしょう。

より素早い電話受付を目指す

信濃毎日新聞 松本専売所様には、契約に関するお問い合わせの他、旅行などで留守にする場合、短期で新聞を止めてほしいという依頼など、1日に多くのお問い合わせの電話が寄せられるそうです。

「当社では、営業所へのお問い合わせもすべて本店で一元管理しているんです。お客様の住所から担当エリアはわかりますが、担当者まではわからなかったりして、急いで対応しないとならないお問い合わせにも時間を要していました。毎回、お客様にお名前とご住所をお聞きして、それから本題に入る、という感じで。

毎回、そのような情報を確認するという業務の無駄を省けば、より早い応対ができる。そう思ったんです。」
(高橋部長)

そして、お客様によりよいサービスを提供するためにCTIの導入をご検討されたそうです。

しかし、オフコンで構築されたシステムにCTI機能を追加するには、莫大な開発費用と時間を要します。そこで、自社でのシステム構築から、電話応対の部分だけをパッケージソフトで補うという方向に発想を転換。

信濃毎日新聞 松本専売所様の電話機や電話交換機を導入したNTT東日本 長野支店様経由で、同社のネットワーク構築を支援するSI会社、AID(株式会社 アドヴァンスト・インフォーメイション・デザイン)にCTI導入について相談され、当社を商品をご紹介頂きました。

間もなく、パッケージソフトであるBIG顧客管理Neo CTIをご導入頂き、さらに、オフコンで管理されていなかった項目を、プラスアルファで顧客情報に追加するという運用に切り替えられました。

電話対応用 BIG顧客管理Neo CTIの運用方法

2011年に導入したBIG顧客管理Neo CTIには、月に一回、オフコンからデータをインポート。

データは既にオフコンで管理されており、元となるデータ整備や移行もスムーズに完了し、CTIによる電話受付はすぐにスタートしました。

基本的な顧客情報はオフコンで全て管理されていた同社ですが、新規に履歴情報をBIG顧客管理Neoで管理することにしました。

現在は、購読中という情報だけでなく、購読の一時中止期間や電話応対のメモなどの応対情報を入力されており、2年間分のデータを管理する方針だそうです。

本店で受け付けたお問い合わせの内容は、BIG顧客管理Neoで顧客情報や対応内容等入力された情報を元に受付表を印字して各営業所にフィードバックされ、情報共有されています。

導入効果

BIG顧客管理Neo CTIでの電話応対について、導入効果を聞いてみました。

「これまで、お名前を聞かないと、お客様からの電話なのか取引業者さんなのかがわからなったのですが、電話に出る前に判断できるようになりましたね。

あとは、これまで何度も確認しなければいけなかったお客様のお名前や住所、契約紙といった基本情報は通話中にすでにディスプレイに表示されているため、確認に要する時間が格段に短縮されました。履歴情報も確認できるので、会話もスムーズになったと思います。

お客様にとっても、ずいぶん印象が変わったのではないでしょうか。」(高橋部長)

その他の導入効果として、条件設定の自由度についても挙げられています。

「オフコンでももちろん検索は出来るのですが、検索条件が限られていて、細かい条件設定が難しかったんです。BIG顧客管理Neoでは、AND条件やOR条件など細かい設定が自分で出来るので便利ですね。」

今後の展望

CTIシステムの導入により、電話応対サービスの向上という目的を達成しつつある同社。今後のサービス展開についてお伺いしました。

「今後も、当社のコアビジネスである新聞の販売をメインに、地域の皆様により良いサービスをご提供していきたいと思っています。

最近、当社の持つ販売網を生かして、お米の宅配も始めたんですよ。高齢化が進んできていますし、お年寄りが重いお米を買いに行くのは大変ですからね。同じく、生活用品である水など、取扱商品を増やして高齢化社会の見守りサービスにも参加出来ればと思っています。

そういったビジネスを本格的にやっていくには、システム化も重要な課題です。

例えば、前回、2か月前にお米を購入頂いたお客様に、時期が来たらこちらからお知らせしたり、購入頂いた商品とは別の商品をおすすめしたりするサービスもいいですね。

せっかく導入したCTIシステムを段階的に活用して、通販ビジネスなんかにも展開できたらいいですね。」と、高橋部長は語ります。

システム化にいち早く取り組み、それぞれの時代に合わせて活用されてきた同社。

今後、新しいビジネスを展開される際にも、今回ご導入頂いたCTIシステムのメリットを最大限に生かしてご活用頂ければ、と思っています。