ルーティンワークを短縮することにより得た時間を顧客サービスの時間に充当
特定保健用食品、「ゼリージュース イサゴールR 」の製造・販売を行う。
小売販売専用部門である“赤坂ロハス”ショップでの対面販売を経て、お客様からのリピートオーダーにお応えすべく、通販受注センターを設立。
BIG通販Proのカスタマイズ版からSimplexへの入れ替えを頂いたのが2008年11月。
半年が経過した現在、業務がどのように変わったのか聞いてみました。
BIG通販ProからSimplexへ入れ替えて、具体的にどのあたりの業務が効率化されましたか?
-まず一つ目にピッキング(出荷)処理です。当社は商品点数は少ないのですが、出荷個数が多いのが特徴です。
一顧客ごとにピッキング個数がわかるのは当然ですが、全体でいくつになるのか、商品の組み合わせごとに何ロットあればその日の出荷個数になるかがわかるようになりました。
まとめてロット単位でピッキングしてから各個人に振り替えるという方法に変更することで、ずいぶん効率的になりました。
ピッキング作業では、具体的にどのくらい処理能力が上がりましたか?
-これまで出荷は4名体制で約3時間ほどかかっていましたが、Simplexに換えてから、1名でも行える程度になりました。
時間も1/3くらいになったのではないでしょうか。
BIG通販ProからSimplexへ入れ替え
以前、Simplexの開発にあたり“債権処理を考慮したシステム設計”を望んでいらっしゃいましたが、そのあたりは改善されましたか?
-Simplexでは、顧客モニタという機能があり、その画面でお客様の情報、購入履歴、対応履歴、入金状況がひと目でわかります。
BIG通販Proでは、伝票入力中にお客様の入金状況を確認するには、一旦画面を切り替える必要がありましたが、Simplexでは電話受付中に前回未入金であることがわかるので、さりげなくお客さまにお伝えすることができます。未入金も減ったのではないでしょうか。また、督促状の印刷もずいぶんラクになりました。
以前は一件ずつ行っていましたが、Simplexでは入金予定日を過ぎたお客様をある程度検索し、お客様の状態に合わせた督促状フォームをまとめて印刷することが出来るようになりました。
決済関連に関してはどうですか?
-決済代行会社を利用すると、お客様が入金した日付と決済代行会社から入金が確定する日付にズレが生じるんです。
BIG通販Proでは、入金確定日付を入金日としていましたが、Simplexでは決済代行会社から送信される速報をもとに、お客様がいつ、どこのコンビニで支払ったかといった情報も把握できるようになり、お客様からのお問い合わせにもスムースに答えられるようになりました。
他に、BIG通販Proで不足を感じていた機能はありましたか?
-主に分析機能ですね。
当社は、複数のメディアに広告を出稿していますので、どの地域のどの媒体が効果的なのか、媒体別売上は広告宣伝の戦略には不可欠です。
Simplexでは、媒体別売上をはじめ、定期コースの新規、継続率など多角的な分析資料が出力できるようになりました。
分析対象データはSimplexに入れ替えてから新たに登録して蓄積する必要があったのでしょうか?
-ほとんどのデータは、これまでBIG通販Proで蓄積したデータをインポートできましたので、顧客分析等はこれまでのデータを生かしてすぐに出力できました。
現在は、より信憑性のある分析をするために、休眠顧客の精査などを行っている最中です。
健康食品という性質上、定期購入コースのお客様は多いのですか?
-多いほうですね。
BIG通販Proにも定期購入機能はありましたが、少し足りない部分がありました。Simplexでは、お客様ごとに配送サイクルや配送日付、価格、一時ストップなどの細かい設定ができるようになりました。
また、経営者側から求められる、月単位での定期コースの新規加入や継続率など分析資料も出るようになりました。
どのくらいで順調に稼動しましたか?
-オペレータも導入当初はBIG通販Proとの違いにとまどい、処理にも時間がかかっていましたが、半年経過した現在は順調に稼動しているのではないでしょうか。
システム入替時に重要なのは、オペレータの意識改革だと思うんです。
“この資料は本当に正しい数字なのか?”、“このやり方がベストなのか?”をひとつひとつ検証し、自分自身が納得してからでないと教育もできませんから、ひとつひとつ地道に検証したんです。それから、画面コピーを用いた細かい運用マニュアルを作成し、オペレータに根気よく指導しました。
CTI機能についてはどう変わりましたか?
-電話着信時に顧客モニタでお客様に関する全ての情報が把握できるので、格段にスムースになりました。
また、細かい機能としては、メモ機能が便利です。
たとえば、未入金のお客様でも、何か理由がある場合はメモに残しておけば、別の担当が受けた場合でも柔軟な対応ができます。
データはデジタル化したほうが便利ですが、お客様に対してはシステマチックではなく、臨機応変な対応が必要だと思うんです。
顧客サービスの充実
BIG通販ProからSimplexに入れ替えて半年が経過し、業務全体で変化はありましたか?
-導入直後の混乱は落ち着いて、最大の目的であった業務効率化は果たすことができました。
受注、出荷等のルーティンワークの時間短縮で、1日に約2~3時間の余裕が生まれたので、その時間を使って現在取り組んでいるのが、お客様サービスの充実です。
お客様サービスとはどんなことですか?
-ECによる注文で多くがデジタル化され、お客様も売る側もお互い顔が見えないおつきあいになっています。
そんな時だからこそ、アナログな部分が求められているように感じています。受注や出荷の時間短縮で得た時間を使い、スタッフ全員でお客様に絵手紙を書くということを始めました。
暑中見舞いなどの季節の挨拶だけでなく、ちょっとしたお礼やご挨拶でも、お客様ひとりひとりに手書きで書くことにしています。人の気配を感じることが、最近の通販で求められているのではないでしょうか。
もちろん、このようなアナログの作業も、ちゃんとデジタルで履歴として残しています。
今後の展望
これからのSimplexに望むことは何ですか?
-実際にお客様と接する現場サイドでは、お客様の現在の状況を正しく把握するためのデータが、経営者サイドは今何が売れているのか、来月はどの程度の売上が見込めるのか、といった経営判断材料が欲しいわけです。
Simplexでは、その両サイドで欲しいデータが出力できるようになったと実感しています。ただし、欲しい資料が出力できるだけでは他社と同じです。
システムを使う側としては、目的を明確化してシステムを使いこなさなければなりません。1アクションで出せたり、使う側が便利に出せるといったプラスαが欲しいところです。機能的には、BIG通販Proで出来なかったことは、ほぼクリアできていると思います。
今後も、ユーザーの声を生かしてバージョンアップを繰り返し、進化していってくれることを期待しています。